診療のご案内
予防接種(2017年5月現在)
かつてワクチン後進国と言われた日本も「ワクチンで予防できる病気」に対し急速に理解と関心が深まり、今日では積極的にワクチン接種が勧奨されるようになりました。同時に、一部有料だったいくつかのワクチンについても広く公費助成が適用されています。このことは自分自身、子どもを持つ親として非常に喜ばしいことだと感じています。さてそのワクチンですが、1歳(を含む)までに9種類、延べ18回〜19回もの接種が必要となります。この極めて多種・多数回に渡るワクチンを抜けなく受けるために、是非、かかりつけ医を早くみつけて相談しながら進めていきましょう。
- 1) Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)ワクチン
- 2) 小児用7価肺炎球菌ワクチン
- 3) ロタウイルスワクチン
- 4) B型肝炎ワクチン
- 5) 4種混合ワクチン(DPT-IPV)
- 6) BCG
- 7) MR(麻疹・風疹混合)ワクチン
- 8) 水痘ワクチン
- 9) おたふくかぜワクチン
- 10) 日本脳炎ワクチン
- 11) 成人用肺炎球菌ワクチン
ワクチンの同時接種について 当院の見解 (2017年5月現在)
ワクチンの同時接種は必要な時期に早く免疫をつけるという目的を果たすために、とても有効な手段であり日常的に行われています。また我が国では三種混合や二種混合、麻疹・風疹ワクチンなど混合ワクチンが抵抗なく接種されており、これまでワクチンの混合により効果が下げるという報告はありません。この様にワクチンの同時接種や混合することの安全性は確立されています。更にワクチンの同時接種や混合ワクチンには受け手側の手間と時間を短縮できるという利点もあります。
それでは一度に5本、6本など多数本の同時接種はどうなのでしょうか?
安全面で言えば殆ど問題なく接種できるというのが現在の考え方になります。しかしワクチンは言うまでもなく医薬品です。従って、ときに発熱や蕁麻疹、稀にアナフィラキシーなど重篤な副反応を引き起こす可能性があります。また各ワクチンには微量ながら「アルミニウム」「グルタミン酸ナトリウム」「ホルムアルデヒド」など人体に悪影響を与えるかもしれない成分が含まれています。これらの要素に加えて、痛みに対する配慮“が懸案事項に挙げられています。「ワクチン1本と6本で接種時の児の泣き方に大差がなかった」したがって「児の痛みの感じ方は本数によって差がない」と結論づけている報告があります。しかし正直、これには若干の違和感を禁じえません。(お子さんの体調面の把握がまだまだ難しく、基礎疾患有無の情報が不足している)生後数か月という月齢で、一時に多数本の針を刺されることで児の心身に予期せぬ負担が生じてしまうのでは、と心配する親御さんが少なからずいらっしゃるのはある意味当然のことに思えます。
以上の点を鑑み当クリニックでは、推奨される期間内にワクチン接種をほぼ終えることを前提に「単独接種は何ら否定されるものではない」、また「同時接種はあくまでも原則2本まで(+経口のロタワクチンは可)」とお話しております。何よりワクチン接種は強制されるものではなく、提供する側とその受け手側がお互いの理解・信頼関係の上で行われることが大切であると考えています。